エンパグリフロジンはHFpEFに有効:EMPEROR-Preserved
Empagliflozin in Heart Failure with a Preserved Ejection Fraction
背景
SGLT2阻害薬エンパグリフロジンの左室駆出率保持心不全(HFpEF)患者への効果は。Charite Universitatsmedizin BerlinのAnker ら(EMPEROR-Preserved)は、NYHAII〜IVの同患者(EF>40%)5,988名を対象として、通常治療へのエンパグリフロジン追加の効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、心血管死・心不全入院の複合である。
結論
中央値26.2ヵ月の追跡で、エンパグリフロジンの一次アウトカム効果を認めた(HR:0.79)。この効果は主に心不全入院リスクの低下と関連しており、糖尿病の有無と関わらなかった。実薬群では単純尿路感染症と低血圧が多かった。
評価
立て続けに報告されているSGLT2阻害薬の心不全効果だが、HFpEFへの有効性は初であり、承認されればEFと関わりなく、心不全に有効なファーストインクラス薬となる。なお、ダパグリフロジンのDELIVERがHFpEFでエンパグリフロジンを追っている。