家族性高コレステロール血症診断年齢の中央値は44歳、女性は更に遅い:FHSC
Global perspective of familial hypercholesterolaemia: a cross-sectional study from the EAS Familial Hypercholesterolaemia Studies Collaboration (FHSC)
背景
家族性高コレステロール血症(ヘテロ接合体:FH)の診断・治療の世界的現況は。イギリス Imperial College LondonのVallejo-Vazら(FHSC)は、世界56ヵ国からの同登録患者42,167名を対象とする横断解析を行った。
結論
FH診断年齢中央値は44.4歳と遅く、18歳未満での診断は2.1%であった。冠動脈疾患は17.4%、脳卒中は2.1%、末梢動脈疾患 は5.2%にみられた。登録時には59.5%が脂質降下療法を受けており、うち81.1%がスタチン、3.0%がPCSK9阻害薬、21.2%が複数薬を内服していた。LDL-C<70mg/dL達成は2.7%でみられ、目標値達成はスタチン(aOR: 1.49)、PCSK9阻害薬(7.57)、脂質降下薬1剤(1.43)、2剤併用(4.58)、3剤併用(29.36)でみられた。女性は男性に比べ診断年齢が遅く、強化治療・LDL-C目標値達成率が低かった。
評価
世界的には300人に1人と稀な疾患ではないが、早期発見ができていないことが明かになった。一般外来高脂血症診断で必須の排除項目となるべきである。