PAPモニター外来心不全管理の効果は「コロナ以前は有意」?:GUIDE-HF
Haemodynamic-guided management of heart failure (GUIDE-HF): a randomised controlled trial
背景
植込み型肺動脈圧(PAP)モニターを用いた血行動態ガイドは、心不全管理を改善できるか。Vanderbilt UniversityのLindenfeldら(GUIDE-HF)は、米国・カナダの118施設でこれを検証するRCTを行った(対照:通常治療)。対象はNYHAII〜IVで、最近入院していない慢性心不全またはBNP上昇患者で(n=1,000)、一次エンドポイントは、12ヵ月時の全原因死亡・全心不全イベント(心不全による入院と心不全による緊急通院)の複合である。
結論
一次エンドポイントでPAPモニター介入の有益性が示唆されたが(HR:0.88)、統計的には非有意だった(p=0.16)。ただし、COVID-19流行前では差は有意(p=0.049)であった。
評価
COVID-19が結果に影響した、と示唆した初めての臨床試験かもしれない。特に2020初期に心不全入院が減ったことが報告されており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32478951/)、ありえる解釈ではある。研究者らは同デバイスを「有望」と感じており、デザインを変えた臨床試験が企画されるかもしれない。