心筋梗塞・心筋損傷のタイプ識別のためのプロテオミックバイオマーカーパネル
A Biomarker Model to Distinguish Types of Myocardial Infarction and Injury
背景
hs-cTnの導入は心筋梗塞(MI)の診断を変えたが、1型(T1)・2型(T2)区別も、心筋損傷との鑑別も困難である。ドイツUniversity Heart & Vascular Center, HamburgのNeumannらは、MI疑診救急患者748名の29種のプロテオミックバイオマーカーデータに基づき、鑑別パネルを開発・検証した。
結論
4バイオマーカー(ApoAII・NT-proBNP・コペプチン・hs-cTnI)がT1MIとT2MIの有意な識別因子であった(AUC:.0.82)。心筋梗塞と心筋損傷の識別には、6バイオマーカー(アディポネクチン・NT-proBNP・pulmonary and activation-regulated chemokine(PARC)・トランスサイレチン・コペプチン・hs-TnI)有効であった(AUC:0.84)。
評価
同著者らが先導してきたMIのバイオマーカー研究で、hs-Tnに依存した先行報告(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27438315/)から格段の進化を遂げた。他施設での追試が行われることになろう。