脳卒中後疼痛に脊髄刺激は有用?:日本多施設事例最大の解析
Benefit of spinal cord stimulation for patients with central poststroke pain: a retrospective multicenter study
背景
脳卒中後疼痛(CPSP)を脊髄刺激(SCS)でコントロールする試みが続いているが、評価は一定してはいない。日本Osaka University(大阪大学)のHosomiらは、日本国内6センターにおける同手技施行166例を対象とする後向解析を行った。原因疾患は77%が脳出血で23%が脳梗塞、障害部位は視床43%・被殻37%であった。一次アウトカムは、痛み(VASスコア)と全体的状態改善度(PGICスケール)である。
結論
試験刺激ではVASスコアの平均低下率は42%、59%の患者はPGICで非常に良くなったか、かなり良くなったとした。64%の患者にSCS装置を植え込み、中央値24ヵ月の追跡最終段階で、VASスコア平均低下率は41%、57%の患者はPGICで非常に良くなったか、かなり良くなったとした。改善との相関因子は、若年・感覚障害少・頚椎電極・上肢痛・多数刺激部位であった。デバイス関連合併症が11例で認められ、10例で装置が除去された。
評価
SCSは末梢性疼痛への有用性が認められているが、中枢性疼痛に対しては国際的なガイドラインの推奨は得られていない。この研究は日本のリーダーグループが行った国内多施設事例の過去最大の解析で、最新のデバイスを使えば有用となりうることを示した。シャム対照RCTが期待される。


