高TG血症はサブクリニカル動脈硬化リスク
Triglycerides and Residual Atherosclerotic Risk
背景
LDL-C低値者のアテローム性動脈硬化症(ASCVD)発症に、高トリグリセリド血症(HTG)はどの程度寄与するのか。スペインNational Center for Cardiovascular ResearchのIbanezらは、PESA研究より低〜中等度心血管リスク者3,754名を抽出し、血管エコー・CT・FDG-PETの画像評価を行って、この問題を検討した。
結論
動脈硬化プラークは58.0%、冠動脈石灰化(CAC)は16.8%、血管炎症は46.7%に見られた。HTG(TG≧150mg/dl)はサブクリニカル非冠動脈性動脈硬化と関連し(OR: 1.35)、この関連性はLDL-C正常・高値群ともにみられた。CACスコアとHTGに関連は認めなかったが、血管の炎症は関連した(OR: 2.09)。
評価
高TG血症は動脈硬化と関連する、という一応のコンセンサスを強化する結果である。他方、LDL-C値正常者へのTG値標的化介入が心血管イベントを抑制した、という大規模RCTは未だ存在していない。