高TG血症はサブクリニカル動脈硬化リスク
Triglycerides and Residual Atherosclerotic Risk

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
June 2021
77
開始ページ
3031

背景

LDL-C低値者のアテローム性動脈硬化症(ASCVD)発症に、高トリグリセリド血症(HTG)はどの程度寄与するのか。スペインNational Center for Cardiovascular ResearchのIbanezらは、PESA研究より低〜中等度心血管リスク者3,754名を抽出し、血管エコー・CT・FDG-PETの画像評価を行って、この問題を検討した。

結論

動脈硬化プラークは58.0%、冠動脈石灰化(CAC)は16.8%、血管炎症は46.7%に見られた。HTG(TG≧150mg/dl)はサブクリニカル非冠動脈性動脈硬化と関連し(OR: 1.35)、この関連性はLDL-C正常・高値群ともにみられた。CACスコアとHTGに関連は認めなかったが、血管の炎症は関連した(OR: 2.09)。

評価

高TG血症は動脈硬化と関連する、という一応のコンセンサスを強化する結果である。他方、LDL-C値正常者へのTG値標的化介入が心血管イベントを抑制した、という大規模RCTは未だ存在していない。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)