多枝病変STEMIへのPCIのための評価手法はFFRかCAGか
Multivessel PCI Guided by FFR or Angiography for Myocardial Infarction

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
May 2021
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開始ページ
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背景

多枝病変を有するST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者では多血管PCIが推奨されるが、評価手法はFFRかCAGか。フランスAssistance Publique-Hopitaux de ParisのPuymiratら(FLOWER-MI)は、同患者1,163名を対象として、両手法の対決RCTを行った。一次アウトカムは、1年後の全原因死亡・非致死性心筋梗塞・緊急再灌流入院の複合である。

結論

一次アウトカムにおいて、FFR評価はCAG評価に非有意に劣った(HR:1.32)。

評価

予期外の結論で議論をよんでいるが、著者らは「結論は決定的でない」と留保をつけている。ただし著者らはまた、アウトカムイベントの絶対数が少ないため、有意差を出すためには8,000人規模の試験が必要ともしており、実践的には当分「どちらでもよい」という解釈となる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)