TAVR後のSTEMI:PCIは是か非か
ST-Segment Elevation Myocardial Infarction Following Transcatheter Aortic Valve Replacement
背景
TAVR後患者のSTEMIの特徴とは。カナダ Laval UniversityのRodes-Cabauらは、国際多施設研究よりTAVR後のSTMEI患者118名のデータを抽出し、臨床的特徴とPCIサブグループ解析を行った(対照: 非TAVR群 439名)。
結論
TAVR群において、door-to-balloon時間中央値は長く(40min vs 30min)、PCI不成功率は高かった(16.5% vs 3.9%)。TAVR後STEMIの院内死亡率と遅発死亡率(中央値7ヵ月)は、それぞれ25.4%と42.4%であった(非TAVR対照:各20.6% と38.2%)。
評価
重要な問題で、TAVR前にPCIをやっておくという戦略が提起されていたが、ACTIVATION結果ではそのベネフィットは認められなかった(https://www.tctmd.com/news/no-angina-no-benefit-pci-pre-tavr-activation)。不成功率からみるとギャンブル的だが、死亡率からみると試みるに値するかもしれないという暫定評価になり、論争的問題である。手技上のブレークスルーが望まれる。