TAVR後のSTEMI:PCIは是か非か
ST-Segment Elevation Myocardial Infarction Following Transcatheter Aortic Valve Replacement

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
May 2021
77
開始ページ
2187

背景

TAVR後患者のSTEMIの特徴とは。カナダ Laval UniversityのRodes-Cabauらは、国際多施設研究よりTAVR後のSTMEI患者118名のデータを抽出し、臨床的特徴とPCIサブグループ解析を行った(対照: 非TAVR群 439名)。

結論

TAVR群において、door-to-balloon時間中央値は長く(40min vs 30min)、PCI不成功率は高かった(16.5% vs 3.9%)。TAVR後STEMIの院内死亡率と遅発死亡率(中央値7ヵ月)は、それぞれ25.4%と42.4%であった(非TAVR対照:各20.6% と38.2%)。

評価

重要な問題で、TAVR前にPCIをやっておくという戦略が提起されていたが、ACTIVATION結果ではそのベネフィットは認められなかった(https://www.tctmd.com/news/no-angina-no-benefit-pci-pre-tavr-activation)。不成功率からみるとギャンブル的だが、死亡率からみると試みるに値するかもしれないという暫定評価になり、論争的問題である。手技上のブレークスルーが望まれる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)