POTS患者への高ナトリウム食療法は有望
Effect of High Dietary Sodium Intake in Patients With Postural Tachycardia Syndrome
背景
体位性頻脈症候群(POTS)の長期治療のために高ナトリウム食摂取は有効か。Vanderbilt UniversityのGarlandらは、23〜49歳の同患者14名と健常対照者13名を対象とするクロスオーバー試験を行った。参加者を低ナトリウム食(LS: Na10mEq/日)または高ナトリウム食(HS:300mEq/日)の間で6日間でクロスオーバーさせ、心拍数・血圧・血清アルドステロン・血漿レニン活性・血液量・血漿ノルエピネフリン/エピネフリンを実測した。
結論
POTS群では、HS食はLS食に比し直立時心拍数とΔ心拍数を減少させ、総血液量・血漿量を増加させ、立位ノルエピネフリン濃度を低減させた。しかし、これら指標は健常群よりは高いままであった。
評価
急性増悪時には生理食塩水静注や飲水療法が行われる病態で、高ナトリウム食は当然考えられる対処法だが、このレベルの詳細さで行われた効果検討は初めてのようである。「有効だが、正常化はしなかった」という結果で、高ナトリウム食の安全性をふくめより長期の検証を正当化する。