心血管疾患予防アスピリン用量のADAPTABLE試験のデザインは多領域にadaptable
Comparative Effectiveness of Aspirin Dosing in Cardiovascular Disease
背景
動脈硬化性心血管疾患予防のためのアスピリン用量の最適化は重要な問題である。 Duke UniversityのJones ら(ADAPTABLE)は、これを検討する非盲検プラグマチックデザインRCTを行った。同患者15,076名を、アスピリン81mg/D群と325mg/D群に無作為化して中央値26.2ヵ月追跡した。 一次有効性アウトカムは、全死因死亡・心筋梗塞入院・脳卒中院の複合、一次安全性アウトカムは、大出血入院である。
結論
高用量群と低用量群との間に、一次有効性・安全性アウトカムともに有意差は認められなかった。
評価
試験主題自体はすでに複数のRCTで良く検証されたもので、「長期予防使用のアスピリンは低用量で十分」とする主流見解を上書きする。NEJM Editorialは、この試験がプラグマチックデザイン臨床試験の正当性を確立したランドマークである、としている。癌や他の重要テーマでもこの手法の臨床試験が汎化されるものとみられる。