脳血管内治療も橈骨動脈アプローチに?:単一術者連続760件の経験を報告
Lessons Learned After 760 Neurointerventions via the Upper Extremity Vasculature: Pearls and Pitfalls
背景
心臓PCIでは経橈骨動脈アプローチがスタンダードになったが、脳血管内治療では。Thomas Jefferson UniversityのJabbourらは、同大学の一専門医が2018年以降行ってきた連続760件(614例)の脳血管内手技の経験を報告している。66%が診断目的、34%が血管内治療目的であった。
結論
260件の治療の内訳は、動脈瘤115件・血栓除去52件・頚動脈ステント28件・AVM/AVF/CCF 33件・その他32件であった.97%が右腕からで、アクセス動脈は橈骨動脈544件・遠位橈骨動脈211件・尺骨動脈4件・上腕動脈1件であった。4.7%で経大腿動脈に切り替えた。治療手技の成功率は94%で.動脈瘤の閉塞率はmRRO I/IIが92%、血栓除去はTICI>2bが77%であった。アクセスに伴う合併症が7件発生した。
評価
現在活発に検討されている手法で、頚動脈ステントでのアクセスに関し大腿動脈と橈骨動脈を比較したRCTも存在する(非劣性)。この論文は単一術者の経験を記載・報告した実践的なもので、7人のレジデントがこの手技を習熟するのに必要な経験数は14回であった、としている。今後脳血管内領域でも橈骨動脈アクセスが主流になる可能性が十分ある。