CRTでヒス束ペーシングは両室ペーシングを置換する?
A Randomized Trial of His pacing versus Biventricular pacing in Symptomatic Heart Failure Patients with left bundle branch block (His-Alternative)
背景
心不全に対するヒス束ペーシング(His-CRT)が、両室ペーシング(BiV-CRT)に劣らないことを示唆する小規模研究がある。 デンマークCopenhagen UniversityのVinther ら(His-Alternative)は、心不全(LVEF≦35%)・左脚ブロック(LBBB)合併患者50名を対象としてHis-CRTとBiV-CRTを比較するRCTを行った。
結論
His-corrective pacingは、His-CRT群の72%で達成された。6ヵ月のフォローアップ後のLVEFは、His-CRT群で16%、BiV-CRTで13%増加し、両群で臨床的および身体的パラメーターに改善が見られたが、群間差は有意でなかった。 ペーシング閾値はHis-CRT群が高かった。
評価
ヒス束ペーシングは理論的には優れている可能性が高いが手技的には難しく、またシステム置換が必要である。有望で重要であるため、大規模RCTに引き継がれることになる。


