脳梗塞後リハビリに迷走神経刺激(VNS)は有望:VNS-REHAB
Vagus nerve stimulation paired with rehabilitation for upper limb motor function after ischaemic stroke (VNS-REHAB): a randomised, blinded, pivotal, device trial
背景
難治性てんかんやうつに対する治療法として普及しつつある迷走神経電気刺激(VNS)を 脳梗塞後上肢機能障害へのリハビリに使えないか。英University of GlasgowのDawsonら(VNS-REHAB)は、これを検討する3重盲RCTを行った(n=108)。過去9ヵ月〜12年間に脳梗塞に罹患した患者を、VNS実刺激+リハビリ群とVNSシャム刺激+リハビリ群(対照群)に割り付け、6週の施設内VNS刺激リハビリに続き自宅でVNS刺激下で機能訓練を行った.一次アウトカムは、 FMA-UEスコアの変化である。
結論
VNS刺激の一次アウトカム効果を認めた(群間差2.6ポイント)。施設リハビリ終了後90日目の同スコアの臨床的に意義のある改善(改善ポイント>5)の頻度も、VNS刺激群が対照群より大きかった。WMFTスコアでも同様の結果であった。対照シャム刺激群で喉頭麻痺が生じたが、実刺激群では有害事象はなかった。
評価
動物実験・パイロット試験で有効性が示唆されていたために行われたシャム技対照の本格RCTで、初めて有効性を認めた。大規模な追試が成功すればリハビリメニューに入りえる。