突然死をもたらす冠動脈石灰化結節の病理学
Eruptive Calcified Nodules as a Potential Mechanism of Acute Coronary Thrombosis and Sudden Death
背景
石灰化結節(CN)は急性冠症候群(ACS)患者において、どのように血栓症を引き起こすのか。日本National Cerebral and Cardiovascular Center(国立循環器病研究センター)のToriiらは、突然死レジストリ登録1,200名患者中25名の剖検CN病変を記載・評価した。
結論
平均年齢は70歳で、糖尿病・慢性腎臓病有病率が高かった。CNの男女比は等しく、61.5%が右冠状動脈で、主に中央部病変であった。すべてのCNは、多数の石灰化結節性断片からなる非閉塞性管腔表面血栓を持ち、内皮細胞を破壊して上層線維性被膜から突出していた。これは、大きな壊死性コア石灰化が外部機械力下で複数の断片に分断され、厚い繊維性被膜から噴出するという機構を示唆する。
評価
突然死をもたらすACSの駆動機構として、石灰化コアの断片化と繊維性被膜からの突出を提案するもので、JACC Editorialは「著者を祝福する」と述べている。