2019-ESC-PTPスコアで、CAD疑診患者の検査前確率過大評価を抑制
Validation of the European Society of Cardiology pre-test probability model for obstructive coronary artery disease
背景
欧州心臓病学会は、2019に「冠動脈疾患(CAD)疑診患者における疾患の検査前確率(PTP)」に関する新しいモデル(2019-ESC-PTP)を発表した。デンマークGodstrup HospitalのWintherらは、同国330万人の住民ベースCAD疑診患者データに基づき、このモデルの有用性を検討した。参照基準は、冠動脈CT(CTA)と侵襲的冠動脈造影(ICA)の複合エンドポイントとし、2019-ESC-PTP・2013-ESC-PTP・CADコンソーシアム基本PTPスコアを算出し、比較した。
結論
比較対象となったデータは42,328名の患者らのものであり、複合エンドポイントを用いて冠動脈狭窄が検出されたのは8.8%であった。2019-ESC-PTP・CADコンソーシアムの基本スコアは2013-ESC-PTPに比べ、より多くの患者を低PTP群(PTP<15%)に分類した(64% vs.65% vs.16%)。複合エンドポイントを基準とした場合、2019-ESC-PTPモデルのキャリブレーションは、2013-ESC-PTP・CADコンソーシアムのベーシックスコアよりも優れていた。
評価
モデルと前モデルの比較はすでに小規模集団で行われており(https://academic.oup.com/eurheartj/article/41/Supplement_2/ehaa946.1380/6004565)、「過大評価を抑制できる」という同結論を出している。大規模比較で有用性を確立した。