トシリズマブのSTEMI有益性を示す:ASSAIL-MI
Randomized Trial of Interleukin-6 Receptor Inhibition in Patients With Acute ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
背景
IL-6阻害薬による炎症抑制の試みは、ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)でも行われている。ノルウェイOslo University のBrochら(ASSAIL-MI)は、発生6時間以内の同患者199名を対象として、トシリズマブの効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、3〜7日後でのMRI評価による心筋サルベージインデックスである。
結論
トシリズマブの一次エンドポイント効果を認めた(調整群間差, 5.6)。冠微小循環障害はトシリズマブ群の方が小さかったが、最終的梗塞サイズではプラセボとの有意差はなかった。
評価
同グループが発表したNSTEMI患者でのP2 結果(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27161611/)をSTEMIにまで拡張する結果である。有益性が示されているが、効果規模は小さい。