魚食の死亡リスク低減効果は心血管疾患既往者に限られる?
Associations of Fish Consumption With Risk of Cardiovascular Disease and Mortality Among Individuals With or Without Vascular Disease From 58 Countries
背景
魚消費の心血管疾患(CVD)リスク低減効果は広く認められているが、CVD既往者と健常者でネフィットは同じか。インド Madras Diabetes Research FoundationのMohanらは、4つの国際コホート研究(n=191,558)のプール解析により、この問題を検討した。
結論
少なくとも170g/週(2食分/週)の魚の摂取により、CVD既往者ではCVDリスク(HR: 0.84)・全原因死亡リスク(HR: 0.82)の低減を認めたが、健常者ではこの関連を認めなかった。また、ω-3脂肪酸だけがCVDリスク低減と関連した(HR: 0.94)。
評価
魚食のベネフィットに関する研究は多いが、有益効果がCVD既往者でのみ発現する、という結論は初めてであろう。魚食のベネフィットは基本的食習慣(西洋 vs.東洋)で違う、という11コホート研究(40万人)のメタ解析も現れており(https://doi.org/10.1016/j.nutres.2018.10.009)、この関連には未だ深堀りの余地がある。

