脳梗塞の自家間葉系幹細胞治療、未だ「効果」を示せず: STARTING-2
Efficacy and Safety of Intravenous Mesenchymal Stem Cells for Ischemic Stroke
背景
脳梗塞に対する幹細胞治療は、すでにいくつか臨床試験が行われてきた。韓国Samsung Medical CenterのBangら(STARTING-2)は、MCA領域脳梗塞(90日以内の症候性発症)患者39名を対象として、自家間葉系幹細胞 i.v.投与を行うRCTを行った(対照:標準治療)。1次エンドポイントは3ヵ月時のmRSである。
結論
1次エンドポイント効果は示されなかった。2次エンドポイントの下肢運動機能は幹細胞群で有意に改善した。有害事象はなかった。
評価
現在までの臨床試験と同じように個々の神経機能改善のみでmRSといった総合指標では有意な改善には至っていない。すでに多くの系統の細胞が検討されたが、動物レベル実験と臨床試験に乖離があり、試験デザインの統一性も求められる。日本でも骨髄幹細胞やMuse細胞などを用いた数種類の臨床試験が進行している。


