hs-cTnアッセイに製品間不一致  
  
    Discordance of High-Sensitivity Troponin Assays in Patients With Suspected Acute Coronary Syndromes  
    
  
背景
アメリカでは、高感度心筋トロポニン(hs-cTn)測定のために3種(Elecsys 2010 platform[Roche Diagnostics]・ARCHITECT i2000SR[Abbott Diagnostics]・HsVista[Siemens Diagnostics])のアッセイがFDA承認されている。Massachusetts General HospitalのKaradyら(ROMICAT)は、624名の患者の1,027サンプルを用いて、これらのアッセイ間の差異とその臨床的意義を検討した。
結論
3種が同一の分析ベンチマークに分類されたサンプルは37.4%にすぎず、一致率は低かった。242名の患者を継続検査したが、アッセイ結果による推奨管理の一致率は74.8%であった。退院推奨患者も19.6%〜21.1%が検査陽性であった。
評価
メーカーレベルでの再検証を要求する重要な結果である。臨床的にはhs-cTnだけで意思決定されることはないため、同一施設で同一アッセイでフォローしている場合は問題は顕在化しないが、特に一次施設から三次施設に移送する場合には問題になりえる。また、従前の臨床試験間の比較は再考が必要となる。

