肝・心二重移植は拒絶反応をHALTする?
Heart-After-Liver Transplantation Attenuates Rejection of Cardiac Allografts in Sensitized Patients
背景
心臓を含む二重臓器移植が単独移植より拒絶反応が少ないことを示唆するデータがある。Mayo ClinicのDearaniらは、同病院で行った7例の肝移植後心移植(HALT)の経験を報告している。
結論
術前に高度陽性であった患者のB・T細胞のクロスマッチ試験は、後向試験ではすべて陰性化した。ドナー特異抗体(DSA)は劇的に低減した。追跡期間中央値48ヶ月で、1Rを超える拒絶反応を経験した患者はなかった。転移癌で1名が死亡したが、重大な移植片機能不全はなかった。
評価
腎・心移植で発見された現象だが、MayoはHALTの熱心な提唱・先導施設である(https://journals.lww.com/transplantjournal/Fulltext/2009/07270/Replacement_of_Calcineurin_Inhibitors_With.11.aspx)。免疫学的メカニズムが解明されれば、適応患者に対する標準技法になりえる。

