COAPT3年追跡結果、MitraClip(R)治療の内科治療に対する優越性を証明
3-Year Outcomes of Transcatheter Mitral Valve Repair in Patients With Heart Failure

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
March 2021
77
開始ページ
1029

背景

COAPTは、中等〜重度または重度の二次性MRを伴う心不全患者に対するMitraClip(R)修復治療が内科治療に優越することを示したランドマーク試験であった。Baylor Scott & White Heart Hospital PlanoのMackらは、同試験の36ヶ月追跡結果を発表している。

結論

36ヶ月の心不全入院は、MitraClip(R)群で内科治療単独群に比べて有意に少なく(HR:0.49)、死亡率も同様に低かった(HR:0.67)。内科治療からデバイス治療へのクロスオーバー58例では、内科治療単独群に比べ心不全入院・死亡率ともに低かった(aHR:0.43)。

評価

当初のエンドポイント効果に加えクロスオーバー後のデバイス治療の有効性も示した報告であり、厳格な薬物療法が特徴のCOAPT試験ゆえの優越性は大きい。対照的な結果であったMITRA-FR(www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1805374)との比較に関し多数の報告があるが未だ不明な点が多く、優越性が経時的に顕在化する可能性もあるため、さらなる長期解析が求められる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)