TAVI後の無症候性脳梗塞(SBI):系統レビューとメタアナリシス
Silent brain infarcts and early cognitive outcomes after transcatheter aortic valve implantation: A systematic review and meta-analysis
背景
TAVI後の拡散強調画像(DWI)検出無症候性脳梗塞(SBI)と、その後の認知機能障害(PCD)の頻度は。オーストラリアUniversity of SydneyのWoldendorpらは、この問題を検討した39研究(n=2,171)のシステマティックレビューとメタアナリシスを行った。
結論
1,601名で少なくとも1つの新たなSBIがあり(pooled effect size 0.76)、限局性神経学的欠損を伴う脳卒中の発生率は3%であった。糖尿病・CKD・3T MRI使用・pre-dilationがSBIリスク増と関連した。術後初期のPCD有病率は、16%(10日以内)から26%(6ヵ月以内)に増加した。SBI新規発生数は、PCD発生率と関連した。
評価
同グループは、2019年の系統レビュー・メタアナリシスでTAVIでのSBI発生率がSABR・PCIの倍以上であることを示しており(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/JAHA.118.010920)、今回の解析はリスク因子や認知機能帰結にフォーカスしたものである。CEPDの使用が無益であることも指摘している。