間質性肺疾患による肺高血圧症にトレプロスチニル吸入
Inhaled Treprostinil in Pulmonary Hypertension Due to Interstitial Lung Disease
背景
肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬トレプロスチニルは、間質性肺疾患(ILD)によるPAHにも有効か。Inova Heart and Vascular InstituteのNathanら(INCREASE)は、同患者326名を対象として、超音波振動ネブライザーによるトレプロスチニル吸入の効果・安全性を検証する第3相試験を行った(対照:プラセボ)。一次有効性エンドポイントは、6MWDのベースライン後16週までの変化である。
結論
トレプロスチニルの一次エンドポイント効果を認めた(最小二乗平均差31.12m)。二次エンドポイント(NT-proBNP)でも有効性を認めた。 有害事象は、咳嗽・頭痛・呼吸困難・眩暈・悪心・疲労・下痢がこの順に多かった。
評価
ILDによるPAHには現在FDA承認薬がなく、適応拡張ほぼ確実ととみられる。問題点は、高いドロップアウト率(21%)と、16週という短い試験期間である。