エンパグリフロジンはHFrEF患者のQOLを改善する:EMPEROR-Reducedサブ解析
Empagliflozin and health-related quality of life outcomes in patients with heart failure with reduced ejection fraction: the EMPEROR-Reduced trial
背景
EMPEROR-Reducedは、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンによるHFrEF患者の心血管死抑制効果を示したが、QOLへの影響は。University of MississippiのButlerらは、同試験のサブ解析を行った。
結論
ベースラインKCCQスコアに関わらず、エンパグリフロジンは心血管死・心不全による入院アウトカムを抑制した。また12ヶ月の観察期間中、KCCQスコアを有意に改善し、KCCQスコアの低下を抑制した。
評価
SGLT2阻害薬の2大試験(EMPEROR-Reduced、DAPA-HF)の生活機能面に対するサブ解析が発表され(https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.120.051783)、心血管死抑制効果に相乗する効果が示されてきている。本解析では、ARNIやivabradine併用によるサブグループ解析は十分に行われておらず、他試験との比較解析が求められる。HFpEF患者への使用拡大も検証されており(EMPEROR-Preserved)、2次エンドポイント(KCCQスコア)効果も期待される。