COVID-19パンデミックは世界の心臓病診断手技実施量を激減させた
International Impact of COVID-19 on the Diagnosis of Heart Disease

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
January 2021
77
開始ページ
173

背景

COVID-19パンデミックは、非伝染性疾患の診断・治療に影響を及ぼしているが、心血管疾患診断へのインパクトは。Columbia UniversityのEinsteinらは、108ヶ国・909施設における2020年3月・4月の非侵襲的/侵襲的心臓検査量を2019年3月のデータと比較し、COVID-19による心血管系手技量の変化を評価した。

結論

手技量は2019年3月から2020年3月までに42%、2019年3月から2020年4月までに64%減少した。経胸壁心エコー検査は59%、経食道心エコー検査は76%、負荷試験は78%減少した(モダリティにより差異)。冠動脈造影(CAG/CT)は 55%減少した。減少度は低所得国で有意に大きかった。中・低所得国では心臓手術も22%減少し、個人用保護具や遠隔医療の利用可能性が低いことと関連した。

評価

JACCは、パンデミックで米の心血管因死が増えたというHarvard論文を併載しているが(https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacc.2020.10.055)、この論文は心血管疾患による受診の抑制かつ/または医療資源の全般的逼迫を示唆している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)