拡張機能障害(DD)のグレードはTAVRの予後を予測する:PARTNER 2 SAPIEN3レジストリ解析
Diastolic Function and Clinical Outcomes After Transcatheter Aortic Valve Replacement: PARTNER 2 SAPIEN 3 Registry
背景
TAVR患者のアウトカム予測における左室拡張機能障害(DD)の意義は。カナダUniversity of TorontoのOngらは、PARTNER-2 SAPIEN3レジストリ1,253名のデータを解析した。拡張機能はTTEにより評価した。
結論
DDのベースライングレードの差は、1年・2年での心血管(CV)死亡・再入院および2年全死因死亡の増加と関連した。TAVR後30日でグレード1の改善が70.8%の患者で見られ、1グレード以上改善した患者では、1年のCV死亡・再入院率が減少し、2年生存率が増加した。ベースラインでのグレード3は、1年のCV死亡・再入院を予測した(HR:2.73)。30日でのグレード1改善により、1年間のCV死亡・再入院リスクは71%低下した。
評価
小規模先行研究を大規模解析によって確定に導き、ベースラインDDが最重要のアウトカム予測因子である一方、30日でのDDグレードの改善が短期的アウトカム改善と関連する、とした。NT-proBNPと両輪となってフォローアップマーカーとなる可能性がある。