FFRガイド下治療へのアドヒアランスはアウトカムを向上させる
Association Between Adherence to Fractional Flow Reserve Treatment Thresholds and Major Adverse Cardiac Events in Patients With Coronary Artery Disease
背景
冠血流予備量比(FFR)ガイドへのアドヒアランスは心血管アウトカムを向上させるか。カナダUniversity of TorontoのKoらは、一枝病変に対しFFR(≦0.80:虚血、>0.80:非虚血)測定を行ったCAD患者9,106名を対象とする後向コホート解析を行った。一次アウトカムはMACE(死亡・MI・UAP・緊急血行再建)である。
結論
虚血FFRコホート群の75.3%はPCI、24.7%は薬物治療が施行され、PCIの5年時MACE率は有意に低かった(31.5% vs. 39.1%、HR:0.77)。一方、非虚血FFRコホート群の12.6%はPCI、87.4%は薬物治療が施行され、PCIの5年時MACE率は有意に高かった(33.3% vs. 24.4%、HR:1.37)。
評価
FFRガイド下治療がアウトカムを向上させることを再確認し、ガイドラインへのアドヒアランスを促す結果となった。本コホートでは一枝病変に限定され、複雑な血行動態を有する多枝病変への生理的評価とアウトカムの関連が次の課題である。