貧血の有無に関わらず鉄欠乏の急性心不全患者には鉄補給:AFFIRM-AHF
Ferric carboxymaltose for iron deficiency at discharge after acute heart failure: a multicentre, double-blind, randomised, controlled trial
背景
鉄欠乏を伴う慢性心不全患者に対し鉄剤(カルボキシマルトース第二鉄)静注が有益であるというデータがあるが、急性心不全患者では。ポーランドWroclaw Medical UniversityのPonikowskiら(AFFIRM-AHF)は、18歳以上の鉄欠乏(フェリチン<100 μg/Lまたは100-299 μg/Lでトランスフェリン飽和度<20%)の急性心不全入院患者(LVEF 50%以下)を対象として、これを検証するRCTを行った(対照:プラセボ、n=1,108)。一次アウトカムは、ランダム化後52週以内の心不全入院・心血管因死亡の複合である。
結論
鉄剤静注は心血管因死亡に無効だったが、心不全入院リスクを低減した(RR:0.74)。
評価
慢性心不全におけるFAIR-HF結果(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19920054/)を急性心不全に拡張したものである。貧血の有無に関わらず鉄欠乏の心不全患者には鉄補給する、というのは順当な推奨でありうる。