SPRINT血圧とリアルワールド血圧は確実に乖離している
Concordance Between Blood Pressure in the Systolic Blood Pressure Intervention Trial and in Routine Clinical Practice

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
December 2020
180
開始ページ
1655

背景

SPRINT基準での測定血圧とリアルワールド測定血圧の一致性には問題が多い。University of MinnesotaのDrawzらは、高血圧症患者3,074名を対象として、リアルワールドEHR記録とSPRINT試験データを直接比較する観察的予後研究を行った(2010年11月〜2015年8月)。主要アウトカム・指標は、日常臨床診療とSPRINTでの測定血圧である。

結論

EHR記録平均収縮期血圧は、SPRINT測定血圧より7.3 mmHg高かった。この差は、標準治療群の方が小さかったが、どの群でも男性より女性の方が大きかった。また施設差も大きかった。

評価

長く知られた現象(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28159816/)を、大規模直接比較で確実なものとした。「補正係数」をかけるというのが単純な解決だが、あまりにも粗い方法であり、合意を得ることは困難であろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)