待機的PCI後DAPTでチカグレロルはクロピドグレルを上回らず:ALPHEUS
Ticagrelor versus clopidogrel in elective percutaneous coronary intervention (ALPHEUS): a randomised, open-label, phase 3b trial

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2020
396
開始ページ
1737

背景

待機的PCIにおけるチカグレロルの周術期心筋壊死抑制効果はクロピドグレルを上回るか。フランスSorbonne UniversityのMontalescotら(ALPHEUS)は、高リスク安定狭心症患者1,910名を対象に、アスピリンへのチカグレロルまたはクロピドグレル併用のDAPTの効果を比較する第3b相RCTを行った。一次エンドポイントは、PCI関連type4 MIもしくは重大心筋障害である。

結論

チカグレロルの一次エンドポイント効果を認めなかった。大出血事象に群間差はなかったが、小出血はチカグレロル群が多かった(OR:1.54)。

評価

ACSにおけるチカグレロルのクロピドグレルに対する優越性の問題は、PLATO試験以後長きにわたり議論されてきたが、安定狭心症患者でも置換は難しいという最終的に近いとみられる結論を出した。なお、本試験とSASSICAIA試験(プラスグレル vs. クロピドグレル)のプール解析では、PCI後虚血性イベント・大出血イベント共に抑制効果は示されていない。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)