70歳以上の健常高齢者のLDL-C上昇は心血管リスクを増す
Elevated LDL cholesterol and increased risk of myocardial infarction and atherosclerotic cardiovascular disease in individuals aged 70-100 years: a contemporary primary prevention cohort

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2020
396
開始ページ
1644

背景

70歳以上の高齢者でもLDL-CはCVDリスクを増加させるか。デンマーク Copenhagen UniversityのNordestgaardらは、Copenhagen General Population Study(CGPS)のASCVD・DM非罹患かつスタチン未使用参加者(70-100歳)を対象とするコホート研究を行った(n=91,131、平均フォローアップ期間7.7年)。

結論

LDL-C 1.0 mmol/L増加毎のMI・ASCVDリスクは70-100歳で特に増加し、3.0 mmol/L未満に比べ5 mmol/L以上のLDL-C値は、80-100歳(HR:2.99)と70-79歳(HR:1.82)でMIリスクを特に増加させた。1000人年毎・LDL-C 1.0mmol/L増加毎のMI・ASCVD発生率は70-100歳で最も高く、スタチン療法によるMI・ASCVDに対する5年NNTは、70-100歳で最も低かった。

評価

高齢健常者におけるLDL-CのCVDリスクを大規模確認し、スタチンによる一次予防の有望性を提示した。これを検証するRCT(STAREE[NCT02099123])が進行中であり、高齢者のLDL-C降下療法の新たな展望が期待される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)