T2D患者へのSGLT2阻害薬の心血管有益性をメタ解析で担保
Association of SGLT2 Inhibitors With Cardiovascular and Kidney Outcomes in Patients With Type 2 Diabetes: A Meta-analysis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
JAMA Cardiology
年月
October 2020
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背景

SGLT2阻害薬の心血管(CV)・腎有益性に関するRCTが積み上がってきている。University of TexasのMcGuireらは、4種薬に関する6 RCTのメタ解析を発表している。患者は、動脈硬化性CV疾患患者31,116名を含むT2D患者46,969名、一次アウトカム・指標は、MACE(心筋梗塞・脳卒中・CV死亡)、心不全入院(HHF)・CV死亡、腎アウトカムの初回事象までの時間である。

結論

全体として、SGLT2阻害薬は、MACE(HR:0.90)、HHF/CV死亡(HR:0.78)、腎アウトカム(HR:0.62)のリスク減と関連し、アウトカムとの関連に有意な異質性はなかった。HHFリスク減は試験全体で一貫していたが、CV死亡ではアウトカムと薬種の関連に有意な異質性があった。動脈硬化性CV疾患既往の有無は、MACEイベントアウトカムに影響しなかった。

評価

注目のテーマに関する今年2番目のメタアナリシスである(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31992158/)。基本的にSGLT2の循環器系有益性を担保する結果だが、著者らはクラス内差異が現れてきていることを重視しており、例えばCV死リスク低減が明確なのはエンパグリフロジンのみ、エルツグリフロジンだけは腎有益アウトカムがない、等としている。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)