BWHが「COVID血栓塞栓症」を報告
Registry of Arterial and Venous Thromboembolic Complications in Patients With COVID-19
背景
COVID-19は、重要な血栓塞栓性疾患であることが明らかになっている。Brigham and Women’s HospitalのPiazzaらは、同系列病院に入院した1,114名の患者の動静脈血栓塞栓症関連データの後向解析結果を発表している。
結論
予防的抗凝固療法が、ICUコホートの89.4%、非ICU患者の84.7%に行われた。重篤動静脈血栓塞栓症・MACE・症候性静脈血栓塞栓症の頻度は、ICUコホートで高く(各35.3%・45.9%・27.0%)、非ICUコホート(2.6%・6.1%・2.2%)や外来患者コホート(すべて0%)では低かった。
評価
COVID血栓塞栓症の重要性は「第一波」段階ですでに確認されており、この論文はMGHの夏段階でのデータをまとめたものである。黒人・ラティノ患者が多く、日本人とは違う可能性がある。現在の予防的抗凝固療法は経験的なものだが、RCTは数多く(ACTIV-4・FREEDOM COVID-19・IMPROVE-COVID・INSPIRATION・ATTAC等)、近い将来に一定の収束がみられる可能性がある。