COVID-19入院患者の心筋障害
Characterization of Myocardial Injury in Patients With COVID-19
背景
心筋障害はCOVID-19入院患者でよく見られる予後不良因子だが、その実態は。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのGiustinoらは、305名の入院患者を対象として、経胸壁エコー法(TTE)・ECGデータと心筋障害マーカー(cTnT)の関連を後向解析した。
結論
心筋損傷は62.3%の患者にみられ、ECG異常・バイオマーカー高値・左室壁運動異常・全般的左室不全・左室拡張不全グレードII/III・右室不全・心膜胸水を伴った。院内死亡率は、心筋障害なしで5.2%、TTE異常なし・心筋障害ありで18.6%、心筋障害・TTE異常ありで31.7%であった。多変数調整後、TTE異常のある心筋障害患者が死亡高リスクであった(OR:6.67)。
評価
注目の病態をMount Sinaiの豊富なデータで確実なものにした。TTEの有用性を示した点が新しいが、病態メカニズムは未だ不祥とし、治療指針にも言及はしていない。