PCI後ACS患者へのチカグレロル推奨に疑問
Association of Ticagrelor vs Clopidogrel With Net Adverse Clinical Events in Patients With Acute Coronary Syndrome Undergoing Percutaneous Coronary Intervention

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
October 2020
324
開始ページ
1640

背景

諸種のRCTに基づく現在のガイドラインでは、急性冠症候群(ACS)患者への第一選択P2Y12抗血小板薬はチカグレロルだが、リアルワールドではどうか。韓国Ajou UniversityのYouらは、米韓レジストリ登録患者データの傾向スコアマッチ後向解析を行った(n=31,290、2011〜2019年)。一次エンドポイントは、虚血性イベント(再発性心筋梗塞・TVR・虚血性脳卒中)と出血イベント(出血性脳卒中または胃腸出血)の複合(NACE)である。

結論

一次エンドポイントで、チカグレロルとクロピドグレルの間に有意差はなかった。他方、出血性イベント・呼吸困難はチカグレロル群が有意に多かった。

評価

ガイドラインを疑問視するリアルワールドデータで、著者らはガイドラインの再検討を主張している。最終結論が出るまでは、「最初の1ヶ月はチカグレロル(またはプラスグレル)、いつでもクロピドグレルへの転換を考える」というような折衷策がありえる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)