周術期心筋梗塞(PMI)の評価は定義に依存する
Impact of Peri-Procedural Myocardial Infarction on Outcomes After Revascularization
背景
PCIおよびCABG後の周術期心筋梗塞(PMI)をどう定義すべきか。オランダUniversity of AmsterdamのHaraらは、SYNTAXES試験参加者1,652名のデータを用いて、諸定義と10年全死亡率との関連、および5・10年における複合エンドポイントへのインパクトを検証した。
結論
PMIイベントの発生率は、その定義に依存した。SYNTAXとFourth UDMI定義を使用した場合が最低であり(PCI:2.7%・3.0%、CABG:2.4%・2.1%)、SCAI・EXCEL定義によるPMI発生率は、PCI:5.7%・CABG:16.5%と高値であった。また、SYNTAXとFourth UDMIによるPMI定義は、有意に長期全原因死亡率とよく関連した。
評価
JACCは、同テーマのUK論文を併載しており、そこではEXCEL試験結果分析から同結論が導かれている(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0735109720363014)。PMIの定義統合を試みるより、長期死亡率による評価を重視すべきという方向性となる可能性がある。