COVID-19は「肺炎」だけではない:NYデータが示すELVO発現型
Emergent Large Vessel Occlusion Stroke During New York City's COVID-19 Outbreak: Clinical Characteristics and Paraclinical Findings
背景
COVID-19感染症における血栓性イベントの重要性が注目されている。Icahn School of Medicine at Mount SinaiのMajidiらは、同病院システム8院で2020年3月21日〜4月12日に治療した急性脳主幹動脈閉塞(ELVO)45症例をパンデミック前と比較した。
結論
ELVO症例の53%がSARS-COV-2 PCR陽性であった。陽性患者は陰性患者より若く(OR:0.94)、男性が多く(OR:3.99)、白人が少なく(OR:0.15)、心不全既往が少なかった。観察期間3週間に受け入れたELVO患者は、前15ヶ月間平均の約2倍に増えていた(p<0.0001)。
評価
COVID-19パンデミック下でELVO患者が以前の約2倍に増え、ELVO患者におけるCOVID-19陽性率は一般人口における陽性率19.9%の2.5倍以上だった、という衝撃的な報告である。他方、全米での脳梗塞患者数は減少しており、全般的受診忌避は明らかである。患者はすべて肺炎症状がなく、そのためCOVID-19は疑われずPCR検査を受けていなかったという。


