脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療は16時間以上後でも有益であり得る
Endovascular Treatment After Stroke Due to Large Vessel Occlusion for Patients Presenting Very Late From Time Last Known Well
背景
現在、脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療(EVT)のゴールデンタイムは発症後6時間だが、ウィンドウ拡張はできないのか。韓国Seoul National UniversityのKimらは、同センター治療患者6,408名中最終健常確認後16時間以上経って着院した前方循環主幹動脈閉塞患者150名のデータを検討した。一次アウトカムは、ベースライン虚血コア・側副循環ステータス・CT(MRI)潅流パラメーターである。
結論
150名中、過去のRCTのEVT適応画像基準に合致したのはDAWN基準33%、DEFUSE 3基準39%、ESCAPE基準38%であった。実際に施行されたEVTは24例で、その最終健常確認-着院時間中央値は26.3時間であった。EVT群は内科治療対照群に比して90日後の機能予後良好(mRS:0〜2)で有意に優れ(aOR:11.08)、mRSシフトの改善と相関した。2型脳実質内出血頻度はEVT群が高かった(13% vs. 3%)。
評価
アジア人で16時間以上経過していてもEVT有益症例がかなり存在することが示された。米で先行したPittsburg研究では、24.1〜155.7時間の患者21名がDAWN試験条件を満たしてEVTが実施されており、有益結果が得られている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29807887/4)。定量画像解析に基づき、EVTの有効性を検証する本格RCTが正当化される。