急性重症肺塞栓では手術・ECMOを考慮
Survival and Right Ventricular Function After Surgical Management of Acute Pulmonary Embolism
背景
急性肺塞栓症(PE)治療における外科アプローチの位置づけは。New York Medical CollegeのGoldbergらは、同病院が2005〜2019年に136名の患者に対して行った外科的塞栓摘出術(SE)・ECMO治療の経験を総括している。広範型PE(MPE)とハイリスク亜広範型PE(SMPE)で、右室(RV)回復(中心静脈圧・肺動脈収縮期血圧・右室/左室比・RVFAC変化の改善)を比較した。
結論
MPE患者では失神が多く、血栓溶解失敗率が高かった(18.2% vs. 4.3%)。MPE患者の43.2%はCPRが行われた。SMPEのほとんどの患者がSEで治療された一方、ECMOはMPE患者の方でより多く使用された。RV機能改善が広く認められた。中心静脈圧(23.4から10.5 mmHg)、肺動脈収縮期圧(60.6から33.8 mmHg)、右室/左室比(1.19から0.87)、RVFAC変化(26.8から41.0)。死亡率は4.4%、CPR施行が死亡の最大のリスク因子だった。
評価
PEの管理は集学(PERTs)化される傾向にある。この研究は、特に重症患者に対しては手術・ECMOが有効・安全なオプションでありうることを示した。