PCIでのP2Y12阻害薬選択のTAILORメイド試験失敗
Effect of Genotype-Guided Oral P2Y12 Inhibitor Selection vs Conventional Clopidogrel Therapy on Ischemic Outcomes After Percutaneous Coronary Intervention: The TAILOR-PCI Randomized Clinical Trial
背景
ACSや安定CADのためのPCIでは、P2Y12阻害薬の使用を遺伝子型に合わせ調整すべきである、という提唱がある。Mayo ClinicのPereiraら(TAILOR-PCI)は、5,302名の患者を対象としてこの方針の有効性を検証するRCTを行った。遺伝子型ガイド群ではPCI時にgenotypingを実施し、CYP2C19 LOFキャリアにはチカグレロルを、非キャリアにはクロピドグレルを使用した。対照群ではクロピドグレルを使用し、12ヶ月後にgenotypingを実施した。一次エンドポイントは、12ヶ月時点での心血管死・心筋梗塞・脳卒中・ステント血栓症・重症虚血再発である。
結論
遺伝子型ガイド法の一次エンドポイント優位を認めなかった。出血等二次エンドポイントでも同様であった。
評価
遺伝子型ベースの個人化治療をPCIに導入しよう、という高度な着想のRCTだったが、失敗した。ただし、3ヶ月で明確な有意差が出ていることもあり、デザインを変えて再チャレンジすべき、という意見も強いようである。