食物中ステロール吸収増のCADリスクを遺伝子レベルで証明
Genetic variability in the absorption of dietary sterols affects the risk of coronary artery disease
背景
食事中のステロール量と血中コレステロールレベルの関連は古くて新しい問題である。アイスランドdeCODE genetics/AmgenのHelgadottirらは、アイスランド・デンマーク・UKバイオバンクデータに基づき、non-HDL-C・フィトステロール濃度およびCADリスクに対するABCG5/8バリアントの効果を、遺伝子スコアを用いて解析した(N=105,490[ケース群]、844,025[コントロール群])。
結論
non-HDL-Cへのインパクトによって9つのABCG5/8バリアントを識別した。これらバリアントキャリアはフィトステロール濃度も高く、CADリスクが増加した。8つのABCG5/8バリアントが胆石とも関連していた。non-HDL-C 1mmol/L増を予測するABCG5/8バリアント遺伝子スコアはCADリスクを倍化し、他バリアントではCADリスクは54%増した。
評価
食物中ステロールの腸吸収がCADリスクにダイレクトに関与する、という遺伝子レベル証明を提出した。著者らは、フィトステロールサプリが「悪玉コレステロール」を下げて有益である、という見解に再考を促している。