ARNIは「やはり」HFpEFに有用?:PARAGON-HF結果を二次解析
Effect of Sacubitril/Valsartan on Biomarkers of Extracellular Matrix Regulation in Patients With HFpEF
背景
PARAGON-HFは、HFpEFに対するARNI(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)の一次エンドポイント効果を否定した。同試験のSolomonら(Brigham and Women’s Hospital)は、同薬の細胞外マトリックス(ECM)関連バイオマーカーへの影響を検討した二次解析結果を発表している(n=1,135)。測定マーカーはN-terminal propeptide of collagen I/III(PINP/PIIINP)、tissue inhibitor of matrix metalloproteinase 1(TIMP-1)、carboxyl-terminal telopeptide of collagen type I(CITPs)、soluble ST2(sST2)である。一次エンドポイントは心不全入院・心血管死である(対照:バルサルタン)。
結論
全バイオマーカーはベースラインで高値であったが、介入群で16週時にTIMP-1が8%、sST2が4%、PIIINPは3%減少し、CITPは4%増加した。TIMP-1とsST2のベースライン/16週時の高値は、一次エンドポイントと関連した。
評価
PARAGON-HFはp=0.06で非有意という結果だったが、抗間質線維化作用と予後改善の関連を発掘した。有用部分集団が存在する、という仮説下での新規試験を正当化する。


