高齢者の深部静脈血栓症(DVT)除外診断の年齢調整Dダイマー値は肺塞栓症と同じ
Age-Adjusted D-Dimer Cutoff Levels to Rule Out Deep Vein Thrombosis
背景
Dダイマー検査は深部静脈血栓症(DVT)の除外診断に有用だが、加齢とともに特異度が低下し、高齢者では偽陽性が増える。肺塞栓症(PE)では50歳以上の患者では「年齢×10 μg/L」とする年齢調整カットオフ値の安全性が確立されているが、DVT疑い患者におけるその有効性は。
スイスGeneva UniversityのRighiniらは、DVT疑いの患者3205名を対象に、これを解析する多施設共同前向研究を行った。
結論
非高リスク群でDダイマー値が500 μg/L以上かつ年齢調整カットオフ値未満であった161名において、3ヵ月以内の血栓塞栓症発症は0%であった。特に75歳以上の高齢者では、従来のカットオフ値(500 μg/L)を用いる場合に比べ、DVTを除外できる割合が8.7%から26.1%へ増加し、偽陰性結果はなかった。
評価
DVTとPEで共通の年齢カットオフ値を使用できるエビデンスを確定した有用な結果である。著者らは、11種類の異なるアッセイを用いた環境下でも一貫した安全性が示された点を強調しており、臨床現場での汎用性は高い。高齢者の救急外来における不必要な超音波検査や滞在時間を削減し、医療資源の最適化に寄与する診断戦略の転換点となる。


