「6時間超え」急性期脳梗塞患者にも血栓除去術を
Endovascular Thrombectomy for Acute Ischemic Stroke Beyond 6 Hours From Onset: A Real-World Experience
背景
「6時間超え」の急性期梗塞患者への血栓除去術の有効性に関しては未だエビデンスが必要である。イタリアUniversity of FerraraのCasettaらは、同国血栓除去レジストリ登録3,057例から発症後6時間以上経過後に血栓除去が施行された327例を抽出・解析した。治療対象は、mRS≦2・ASPECTS≧6でCTA上側副血行良好で広いミスマッチ領域を示した患者で、最頻の閉塞血管は中大脳動脈(45.1%)であった。一次エンドポイントは、90日後の機能的自立(mRS 0〜2)である。
結論
6時間以降穿刺群は一次エンドポイントが41.3%で、6時間以前群の46.6%より有意に低かった(OR:0.58)。症候性頭蓋内出血・3ヵ月以内死亡率に有意差はなかった。再開率・安全性にも群間差はなかった。また、発症6〜12時間穿刺群と12〜24時間穿刺群との間に、mRS・死亡率・再開通率の差はなかった。
評価
重要な問題で、ここでの結果はHERMES研究での内科治療群より優れている。この研究以後も既に2 RCTが行われており、有効性が示されている。安全性にも問題はなく、今後定量的評価ソフトの普及に伴い、「6時間超え」患者に対しても積極的に血栓除去治療が実施されるようになるとみられる。