ガイドラインベースのCADリスク評価に多遺伝子リスクスコアを追加すべきか
Limitations of Contemporary Guidelines for Managing Patients at High Genetic Risk of Coronary Artery Disease
背景
CAD(冠動脈疾患)の多遺伝子リスクスコア(PRS)はガイドラインによるリスク評価とどの程度交差し、1次予防に寄与しうるか。Harvard Medical SchoolのNatarajanらは、3つのアメリカ医療システムから47,108名を抽出し、GWAS解析を行った。
結論
CAD PRSはCADと有意に関連し(OR:1.42/SD)、PRS高値(上位5%・20%)のCADオッズは、各2.3・1.9倍であった。CAD PRS高値はACC/AHA・USPSTFのスタチン推奨と一致しなかった。スタチン処方率はPRS上位20%において僅かに有意差がみられたが、上位5%では有意差は見られなかった。もしCAD PRSをガイドラインベースリスク因子に追加した場合、4.1%の患者に1次予防スタチンが処方されることになる。.
評価
ガイドラインのスタチン開始推奨とPRS評価によるそれとの解離を示し、CAD PRSの独立因子としての重要性を確認した。しかし全患者のSNP確認はコスト便益が低く、グレーゾーン患者での利用がリーズナブルであろう。


