アメリカの心臓手術後患者は1割がオピオイド依存になる
Development of Persistent Opioid Use After Cardiac Surgery
背景
アメリカでは心臓手術後にオピオイド使用が標準化されているが、後のオピオイド依存化リスクは。University of PennsylvaniaのBrownらは、25,673名のCABG・弁手術患者のデータを後向解析した。主要アウトカム・指標は、術後90〜180日以内に発生した新規オピオイド使用患者率であり、経口モルヒネ当量(OME)で定量した。
結論
持続的なオピオイド使用は、CABG後患者の10.2%、弁手術患者の8.1%で発生した。発生オッズは、女性(OR:1.15)・うっ血性心不全(1.17)・COPD(1.32)・DM(1.27)・腎不全(1.17)・慢性疼痛(2.71)・アルコール依存症(1.56)・ベンゾジアゼピン使用(1.71)・筋弛緩薬使用(1.74)で高かった。また、退院時のOME処方量が多いほど新規持続使用発生リスクが高かった。
評価
一般的待機手術ではこの率は3%とされており、心臓手術でのオピオイド依存化リスクは高い。アメリカ医療の大問題のひとつであり、患者でなく医療コミュニティの問題である。