ARVCリスク評価にはCMRによる左室病変の有無を
Prognostic Value of Magnetic Resonance Phenotype in Patients With Arrhythmogenic Right Ventricular Cardiomyopathy
背景
不整脈原性右室心筋症(ARVC)のリスク評価にCMRは有用か。イタリアFondazione Toscana G. MonasterioのAquaroらは、ARVC患者140名を対象にCMR評価、5年ARVCリスク評価(Cadrin-Tourigny J et al. Eur Heart J. 2019; 40(23): 1850-8.[https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehz103])を行い、前向予後解析した。複合エンドポイントは、突然心臓死・適正ICD埋込・心停止後心拍再開である。
結論
CMR評価で陰性10%、右室のみ41%、両心室37%、左室有意12%に病変が見られた。複合エンドポイントは34%に見られたが、CMR陰性群では見られなかった。Kaplan-Meier解析では、CMRで左室病変(+)群は右室のみに比べ予後が不良であり、多変量解析では、左室病変(HR:4.2)・左室優位表現型(HR:3.4)・5年ARVCリスク(HR:1.02)がエンドポイントの独立因子であった。5年ARVCリスクは、右室のみ群間においては5年観察リスクと同様であったが、左室病変群においてはリスクを過小評価していた。
評価
ARVCリスク評価におけるCMRによる左室病変の有無の重要性を示し、CMR評価を前提としたICD埋込のアルゴリズムも提唱している。JACC Editorialは、ICD埋込の厳密な閾値は設定できないものの左室因子の予後重要性に同意している。