AAAへのドキシサイクリンは無効: N-TA3CT
Effect of Doxycycline on Aneurysm Growth Among Patients With Small Infrarenal Abdominal Aortic AneurysmsA Randomized Clinical Trial
背景
ドキシサイクリンがマトリクスメタプロテアーゼ(MMP)阻害等の機構で腹部大動脈瘤治療に有効であるとする仮説がある。University of MarylandのTerrinら(N-TA3CT)は、小型の腎動脈下腹部大動脈瘤(男性:3.5〜5.0cm、女性:3.5〜4.5cm)を有する患者261名を対象として、ドキシサイクリンの有効性を検証する第2b相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、フォローアップ2年時のrank score(CT画像による最大瘤横径のベースラインからの変化・死亡/大動脈瘤修復の臨床アウトカム)である。
結論
一次エンドポイント効果は認められなかった(最大径変化:ドキシサイクリン群 0.36cm vs. プラセボ群 0.36cm)。
評価
AAAへのドキシサイクリンの有効性は小規模研究で多数報告があったが、大規模RCTで無効とした。ただし、MMP-9活性が実測されているが活性低下を認めず、有効用量に達していないのでは、という批判はありえる。