無症候性高度頸動脈狭窄への薬物療法と血行再建術追加を最新比較:CREST-2試験
Medical Management and Revascularization for Asymptomatic Carotid Stenosis
背景
現代の治療ランドスケープでの、無症候性高度頸動脈狭窄の最適治療法は。
アメリカMayo ClinicのMeschiaらは、5ヵ国155施設で、高度(70%以上)無症候性頸動脈狭窄症患者を対象に、強化薬物療法を基盤に、ステント留置術(CAS)または内膜剥離術(CEA)の追加効果を比較する並行観察者盲検臨床試験を実施した(CAS試験1,245名、CEA試験1,240名)。
一次エンドポイントは、無作為化から44日目までの脳卒中または死亡、または残りの追跡期間(最大4年間)中に評価された同側性虚血性脳卒中の複合であった。
結論
一次エンドポイントイベントの4年発現率は:CAS試験では、薬物療法単独群6.0%、CAS群2.8%;CEA試験では、薬物療法単独群5.3%、CES群3.7%、であった。
CAS試験では、0〜44日目まで薬物療法単独群では脳卒中や死亡は発生しなかったが、CAS群で脳卒中が7件、死亡が1件発生した。CEA試験では、薬物療法単独群で脳卒中が3件、CEA群で脳卒中が9件発生した。
評価
古典的問題の現代的再検で、高度無症候性頸動脈狭窄症患者では、強化薬物療法基盤上のCASがCEAより有益である、という結論を導いた。ただし、ここでのCAS優位性には、イベント数自体が少なく、また熟練術者による結果であるという制限がある。周術期リスクが1.3%で、4年間の脳卒中回避ベネフィットが100人中1人程度である点を考慮すると、薬物療法を徹底し、症状出現時に血行再建を検討する戦略がより合理的である。


