プレホスピタル鎮痛での吸入メトキシフルラン、経鼻フェンタニル・静注オピオイドに非劣性:PreMeFen試験
Comparison of inhalational methoxyflurane, intranasal fentanyl, and intravenous morphine for treatment of prehospital acute pain in Norway (PreMeFen): a randomised, non-inferiority, three-arm, phase 3 trial
背景
外傷・急性疾患により救急搬送を受ける患者の多くは疼痛を有しており、国際ガイドラインでは病院前での強力な鎮痛が整備されつつあるものの、実態としては十分な鎮痛が行われていないとされる。
ノルウェーOslo University HospitalのSimensenらは、同国のInnlandet Hospital Trust救急搬送サービスにおいて、Numerical Rating Scale(NRS)が4以上の外傷性/内科性急性疼痛を有する患者に対し、吸入メトキシフルラン(3 mL)、経鼻フェンタニル(50 μgまたは100 μg)、静注モルヒネ(0.05 mg/kgまたは0.1 mg/kg)を割り付け、10分後のNRS変化についてのメトキシフルランの非劣性を検証する第3相ランダム化非劣性試験、PreMeFenを実施した(n=632)。
結論
ベースラインのNRSスコアは平均7.6であった。
治療後10分の平均NRSスコア変化は、メトキシフルラン群で-3.31、フェンタニル群で-1.98、モルヒネ群で-2.74であり、フェンタニル・モルヒネに対するメトキシフルランの非劣性が示された。
有害事象はメトキシフルラン群の22%、フェンタニル群の24%、モルヒネ群の24%に発生した。メトキシフルラン群の重篤有害事象として、同じ患者に意識消失(グレード3)、呼吸抑制(グレード2)が発生した。治療関連死亡はなかった。
評価
メトキシフルランは、かつて腎・肝毒性のため全身麻酔薬としては姿を消した薬剤であるが(日本でも現在は発売されていない)、低用量投与による安全性の再評価と、非オピオイド鎮痛へのニーズを背景に、ここ10年で鎮痛薬としての再興が進んでいる。
この試験で示された効果的な鎮痛作用に加えて、非静注・非オピオイドという使い勝手の良さもあり、急性疼痛の初期管理において高いポテンシャルを有すると思われる。


